2011年12月18日日曜日

カミングアウトしないことで失っているもの

今日は、そこまでお互いを理解し合っているわけではないんだけど、でも嫌いじゃなくてどっちかと言えば好きな人たち(例えば職場の人とか)にカミングアウトしたらどうなるか!
について書いてみます。

先月、職場で飲み会があったんです。
数ヶ月間だけ一緒に仕事して、色々お世話になった方々との飲み会でした。
ちなみに僕は飲み会はあまり好きな方ではありません。
理由はわかりません。昔からそうだったんです。
まぁこれは今日のテーマとは無関係なのでここまでにして、本題に入ります。

先月の飲み会で、
「○○さん(僕のこと)は彼女はいないの?」
と聞かれました。

「いないんです」
そう答えました。

僕はゲイ男性ですから彼女はいませんし、また彼氏もいません。
だから、彼女はいないの?という質問には、「いないです」と嘘をつかずに答えました。
ちなみに心の中では(彼女はもちろん彼氏もいないです)と思っていました。

その後の会話は次のように流れていきました。

Aさん「なんでいないの~?」
  僕「なんでですかね?」
   (知らないよ・・・)

Bさん「合コンとかは行かないの?」
  僕「あまり初対面の人との飲み会って好きじゃないんですよね」
   (女性との合コンなんてゲイの僕にはあり得ない)
   (そもそも飲み会があまり好きではないから行かないし・・・)

Cさん「じゃあ職場でいいなと思う人はいないの?」
  僕「どうですかね~?」と言葉を濁す。
   (普段そういう目で女性を見てないし・・・)

Aさん「どういう人がタイプなの?」
  僕「そうですね~。痩せてない人ですかね」
   (そろそろ話題を変えてくれ・・・)

Aさん「え~!?じゃあ芸能人で言うと誰?」
  僕「芸能人でいいと思う人はあまりいないんですよね」
   (あまりテレビみないから芸能人の名前知らないし、松山ケンイチはかわいいと思う、なんて言えるわけないし・・・)

Cさん「なんで結婚しないの?」
  僕「う~ん、なんでですかね~?」
   (とりあえず今の日本じゃ男性同士で結婚できないし、僕が女性と結婚するなんてのはちょっと考えられない感じだし・・・)

Dさん「でも男の人はいいよね。子どもを持つ年齢を考えなくていいからさ~」
  僕「まぁそうですよねぇ」
   (でも男性同士なら生物学的には子どもは生まれないんですけど・・・)

Cさん「子ども好きでしょ?」
  僕「好きですよ」
   (ええ、好きですよ)

Cさん「だったら結婚することを強くお勧めするよ」
  僕「そうですか・・・」
   (僕ゲイなんで、今の日本じゃ結婚できないんですよね、と言っちゃおうかな?)
   (でもカミングアウトはやめておこう)

Dさん「自分の子どもは特別かわいいっていうからね~」
  僕「絶対そうだと思いますよ」
   (もし僕に子どもができたら最高にかわいいに違いない)
   (子どもはもちろん欲しいけど、でもゲイの僕に子どもは出来るのか!?)

Aさん「それで~?どんな人がタイプなの~?!」
  僕「そうですねぇ・・・」
   (もういい加減、話題を変えてくれ)
   (あなたは結婚してていいよね)
   (まさか僕がゲイだなんて、あんたは全然考えてないでしょ)

そんな感じでした。

この会話の流れ、お決まりのパターンですよね?
ゲイの皆さん、どう思われますか?
こんな会話が繰り広げられた時、どういうふうに対処していますか?
もしよければ、ぜひ教えてください!
下にコメントしてください!
お願いします!!
(僕には切実な問題なんです(笑))

ちなみに僕は職場ではカミングアウトしていません。
(違う部署の、ある一人の女性にだけ、しましたけど)
今のところは職場でカミングアウトするつもりはないんです。
来年には部署が異動になる予定だから、そこまで親密になるはずもない人たちに対しては特にカミングアウトする必要はないでしょう、ここは友達を作る場所じゃなくて職場だし、って感じで考えてます。

でも、飲み会で上のような会話(というか尋問)が繰り広げられていたとき・・・
「カミングアウトしちゃおうかな?」
って、自然な気持ちで、そう思ったんです。

僕は、強制されてするカミングアウトは絶対にするつもりはないです。
飲み会とかで尋問されている時にカミングアウトするのは、強制的にカミングアウトさせられているようなものだ、とも言えるでしょう。
でも僕はあの飲み会の席で、自然な気持ちで、カミングアウトしてもいい、と思ったんです。

 ・この人たちは僕が普通の男(異性愛者)だと思っているだけだ
 ・多分この人たちは今までの人生の中でゲイ男性に出会ってきていないのだ
 ・出会っていたとしても、カミングアウトされたことがないんだろう
 ・だから目の前にいる僕が「ゲイかも?」などとはこれっぽっちも疑っていないのだ
 ・そういう意味では無知な人たちだとも言えるけど、、
 ・でも悪気があって僕に色々質問してきてる訳ではないのだ
 ・僕はこの人たちのことが嫌いではない(ほがらかで、楽しくて、むしろ結構好きだ)
 ・この人たちは僕がゲイだと知っても僕に対する態度を変えたりしない人たちだろう
 ・だからカムアウトしたらもっと色々なことを自然に話せる良い関係になるかもしれない

そう思ったんです。
こういう気持ちからのカミングアウトなら、それは強制的なカミングアウトではないですよね??

だけど、その日、僕はカミングアウトしませんでした。

そして、カミングアウトしないと決めた僕は、次のようなことを思っていました。
 ・相手からの質問をどうかわしていくか
 ・どれだけ動揺せずに質問に答えられるか
 ・どうすれば早く話題を変えられるか
 ・というかこの飲み会はいつ終わるのだ?
 ・人に土足で踏み込んできて一体何なんだこの人たちは?
 ・この人たちとはあまり話をしたくないなぁ
 ・この飲み会はつまらないなぁ
 ・あぁ、だんだん元気がなくなってきた・・・
 ・早く家に帰りたい
 ・明日から職場でこの人たちに会ったら嫌だなぁ
 ・この人たちのこと嫌いじゃないのに、なんかこうして心が離れていくなんて、悲しいなぁ

こんなふうに思っていたんです。
なんだかとても残念な感じです。。

でも、もし、あそこでカミングアウトしていたら・・・
 ・「え~!」と驚かれる
 ・そして色々質問される
   - いつからそうだったの?
   - 好きな男の人はいるの?
   - 今まで男性と付き合ったことはあるの?
   - 職場でいいと思う男性はいるの?
   - どういう男性がタイプなの?
   - 俺のこともそういう目で見てたの? などなど
 ・男女の普通の合コンに行かない理由もわかってもらえる
 ・結婚していない理由もわかってもらえる
 ・嘘をつかなくていい
 ・職場で、嫌いじゃない人たちと、色々なことを話せる関係になれる
 ・嫌いじゃない人たちとも心が離れなくて済むから、悲しくならない

といった感じになったのでは、と思います。

カミングアウトした後なら、自分のセクシャリティーに関する質問には、ちゃんと答えることができます。

だから、カミングアウトしていたら・・・
 1.相手と心が離れなくて済むから、悲しくならない
 2.本当のことを話せばいいので、嘘をつく必要がないので、楽チン
 3.カムアウトしなかったら生まれなかったような新たな関係を、相手との間に作っていける
といった良いことがあったんだろうな、って思います。

逆に言えば、カミングアウトしなかったから・・・
 1.相手と心が離れて、悲しい気持ちになる
 2.嘘をつくのは、やっぱり疲れる
 3.相手との関係が何か新しいものに発展していったりはしない(むしろ関係は停滞する)
といった残念なことになったんです。

僕は、仲が良い本当に大切な友達にしか、カミングアウトしていません。
でも、別に仲が良い本当に大切な友達でなくても、例えば職場の人だとかお互い深くは理解し合っていないような人とかであっても、「この人ならカミングアウトしてもいいかもな」と思う人が、たまにいます。
だけど、結局そういう人たちには、カミングアウトしていません。


~~~

そこで、今日のブログのテーマ「そこまでお互いを理解し合っているわけではないんだけど、でも嫌いじゃなくてどっちかと言えば好きな人たち(例えば職場の人とか)にカミングアウトしたらどうなるか!」です。

もしそういう人たちにもカミングアウトできたら、3つの良いことが起こるんだと思います。
 1.相手と心が離れなくて済むから、悲しくならない
 2.本当のことを話せばいいので、嘘をつく必要がないので、楽チン
 3.カムアウトしなかったら生まれなかったような新たな関係を、相手との間に作っていける

なかなかいい感じです。

だけどカミングアウトしないでいると、3つの残念なことが起きてしまうんです。
 1.相手と心が離れて、悲しい気持ちになる
 2.嘘をつくのは、やっぱり疲れる
 3.相手との関係が何か新しいものに発展していったりはしない(むしろ関係は停滞する)

なんだか悲しい感じです。。

カミングアウトしないことで、僕は3つの良いことをよく失っているなぁ・・・
そんなふうに僕は思っています。
皆さんはどう思われますか?
色々と下にコメントを書いていただけると嬉しいです。
また、飲み会で尋問された時にどう対処しているかもコメントというかアドバイスをください。笑
よろしくお願いします。

最後に、高校でカミングアウトしたカール君の動画を紹介します。
強制的に母へのカミングアウトをすることになってしまった話とかをしています。
(なぜだかこの動画は再生回数が多いんですよね)
動画を見て頂けましたらコメントしてもらえると嬉しいです♪




その他の動画はこちらからどうぞ:http://www.youtube.com/user/ItGetsBetterJapan






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2011年12月2日金曜日

最も多く再生されている「It Gets Better メッセージ」

 今日は、YouTube上で最も多く再生されている「It Gets Better メッセージ」について書きます。

「It Gets Betterメッセージ」とは・・・
「今は中学とか高校とかで大変かもしれないけど、成人してから先は物事は良くなっていくから、今の大変さをなんとか耐え忍んで乗り越えて!」といった内容のメッセージのことで、若いゲイなどのセクシャル・マイノリティーに向けられたメッセージのことです。
(詳細はWikipediaをみてください)

そういった「It Gets Better メッセージ」の動画がYouTubeに数多く公開されています。

その中で最も再生回数が多い「It Gets Better メッセージ」は何かというと・・・!

テキサス州フォートワース市の市議会議員のジョエル・バーンズさんが2010年10月12日の朝YouTube上に公開した動画です!

ジョエル・バーンズさんは、ゲイだということを公表した上で市議会議員に出馬して当選した人です。
(見た目も格好いいと思う♪)

~ちなみに僕の知る限りで、日本でも、東京都豊島区議員の石川大我さんと中野区議員の石坂わたるさんが、ゲイだと公表して議員になられました

この動画は、公開された直後からインターネット上で話題となり、公開から数時間でYouTubeの再生回数が5,000回を上回り、その後も再生回数は増え続け、今の時点での再生回数は269万3千397回となっています。

これだけ多くの回数の再生がなされたのは、この動画のメッセージに込められた気持ちが、見る人にも伝わってくるものだからでしょう。

この動画を見て泣いた人も多いと思います。
というか僕はこの動画を見て泣きましたよ♪
多分、皆さんもこの動画を見たら何かしら感じるところがあると思うんですが、いかがでしょうか。
セクシャル・マイノリティーかどうかに関わらず、多くの人に訴えるものがあるかと思います。

この動画の日本語字幕版をアップしてありますので、まだ見ていない方がいましたら、是非チェックしてみてください。



ちなみに、この動画はとても話題になったので、公開から数日後にはこのジョエル・バーンズ議員は多くのニュース番組でインタビューされました。
中には、ジョエル・バーンズ議員の結婚相手のJ.D.さん(ゲイ男性)と一緒に出ているインタビューもありますよ。
興味のある方は「joel burns interview」とYouTubeで検索してみてください。
色々なインタビュー動画をみることができます。
その中で「このインタビュー動画に日本語字幕を付けて欲しい」とかいう希望がありましたら、下にコメントを書いて教えてくださいな♪

その他のIt Gets Betterメッセージやカミングアウト・ストーリー(日本語字幕版)はこちらにアップしてあります→ http://www.youtube.com/user/ItGetsBetterJapan





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