2013年5月23日木曜日

職場でゲイだとカミングアウト!の巻

今日は職場の上司にゲイだとカミングアウトした話を書きます。

今の職場は人間関係という意味でかなり恵まれています。
この人は要注意!!みたいな人があまりいない職場です。
4月からの新しい上司にも恵まれています。

新しい上司は、僕が萎縮せずに伸び伸びと仕事をできるよう、
色んな配慮をしてくれています。だから僕はかなり自由に、
怖がることなく、仕事をやらせてもらっています。
とっても有り難いことだと思っています。

ですが、その上司とのやり取りでただ一つだけ、
僕が萎縮してしまう場面があるのです。

それは、上司に女性の話を振られることです。
どんな女性が好きかとか、★★さん(←同僚の女性)は
タイプかどうかとか、いつ結婚するのかとか、
そういうことを聞かれることです。

僕はいつもあいまいな返事をしてごまかしていました。

ですが、そういうあいまいな返事をした後、しばらくの間、
僕はなんとなく伸び伸びと仕事ができない状態になり、
気持ちは萎縮し、何事にも遠慮してしまう感じになり、
同僚とのコミュニケーションが少し減ってしまい、
それによって業務にも少し悪影響が出てきた、と感じました。

これはマズい、と思いました。

上司は僕が30才台半ばで独身だと知って、
まさか僕がゲイだとは思わず、全く悪気はなく
僕に女性の話を振ってきているだけのはずです。

だったら、僕がゲイだとカミングアウトし、
僕が女性に興味ないことを知ってもらい、
僕に女性の話を振らないでもらうことで
僕がこれまで通りに伸び伸びと仕事ができるようになり
業務への悪影響を減らせると考えました。

そこで、僕は、仕事を円滑に進めていくために、
上司にゲイだとカミングアウトしようと決めました。

個人的な理由からではなく、業務的な理由でのカムアウトです。

カムアウトして僕が伸び伸び仕事できるようになれば、
それは上司にとっても良いこと(部下が伸び伸びと
仕事をできる職場を作るという上司の願いを叶えること)
だと思ったのです。

そう考えたので・・・

「伸び伸びやらせてくださっていてとても有り難いのですが、
 女性の話を振られると萎縮してしまって伸び伸びできず
 業務にも支障を来たしてしまうように思うのです。
 そこで仕事を円滑に進めていくためにお話するのですが、
 僕はゲイなんです。なので、女性の話を振られると困るのです。

という感じで、カムアウトする理由も添えて
自分がゲイだとカムアウトしました。

僕はかなり緊張しましたが、
上司はとても驚いたと思います。
歩きながらカムアウトしたのですが、
慣れているはずの道を間違えて曲がろうとしてましたから(笑)

上司は
「そうでしたか。すいませんね、
 僕は男にも女にもデリカシーがないですからね、
 色々失礼なことばかり言っちゃってます」
とすぐに言ってくれて、
次の日からも何事もなかったかのように今まで通り接してくれています。
(他の同僚に僕がゲイだと話してしまうこともなさそうです)

なので、カミングアウトして本当によかったと思っています。

上司にカムアウトしたあと、数日経ってから、
「あ、なんか、こういうカムアウトは初めてしたなぁ」と思いました。

これまでは、友達に自分のことをきちんと知っていて欲しいからとか、
友達ともっと仲良くなりたいからとか、
兄に自分のことを知っていてもらいたいからといった理由で
ゲイだとカミングアウトしていました。

でも今回は、業務を円滑に進めるため、仕事のためにカムアウトしたのです。

というと仕事人間のようですが、そんなつもりはないんです。

今の仕事を辞めたくならないように、
自分がちゃんと仕事を続けていくことができるように、
自分のために、仕事で自分が無駄なストレスを感じないようにするために、
カミングアウトしたのです。

そして、そのカムアウトによって業務が円滑に進められるのであれば、
(僕のストレスが減るだけでなく)職場全体もハッピーになるんです。

しかも、上司が目指す職場環境(部下が伸び伸び仕事できる環境)を
実現できるわけです。(win-winな感じになるわけです)

そう思って、自分のために、仕事のために、
感情をあまり交えず業務的にビジネスライクに(?)
カムアウトしたのです。

正直、そういうカミングアウトがあるなんて、
僕は今回まで知らなかったです。

カミングアウトは
(1)家族だからする(理由なんてないけどとにかく家族だからする)
(2)友達や知り合いともっと仲良くなるためにする
(3)自分の仕事のためにする(今回の僕のカムアウトはこれ)
(4)社会運動の一つとしてする(社会の中でゲイの存在を知らしめる)
(5)相手をギャフンと言わせるためにする
(6)痴漢疑惑を晴らすためにする・・・
(7)むりやりアウティングさせられる
とかいった感じで、色んなのがあると思います。

僕はこれまで(1)か(2)のカムアウトしかしたことがなかったです。
ですが、今回(3)を果たしました。

だとしたら・・・次は母へのカムアウトかなぁ。
などと今は考えています。
理由なく、母だから、家族だから、という理由だけで
カムアウトしてもいいのかなぁなどとも思っています。

ちなみに僕は
(4)や(5)のような何かに一石を投じるようなカムアウトはしたくないですし、
(6)みたいな状況にはなりたくないですし、
(7)は絶対嫌です。

(6)の状況とは、どんなのかわかりますか?
満員電車で女性から痴漢だと決めつけられ、警察沙汰になり、
自分が女性に全く興味がないことを証明するために
仕方なくカムアウトし、ゲイだから女性に痴漢するわけない
っていうアリバイを証明する状況です。(あまりあり得ない状況です(笑)
映画で言うと、
それでもボクはやってないとか偽りなき者みたいな状況です・・・
絶対嫌ですね。。

では最後に、最近アップした、ゲイ男性ホアキンさんの
カミングアウト・ストーリーを見てください。
日本語吹替え版です。(日本語字幕も付いてます)

パート1

パート2

吹替えの声はミズキ諒さん、映像と声のミックスはタカスケさんがしてくださいました。